50th_pa

50th_pa page 99/130

電子ブックを開く

このページは 50th_pa の電子ブックに掲載されている99ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
学生と共に歩んだ思い出深い40年40年の間の思い出は数多い。開学して間もない頃、学生の強い要望もあって、1期生の10名ほどの学生と共に原書を輪読することを始めた。この輪読会では、回を重ねるごとに学生自身が徐....

学生と共に歩んだ思い出深い40年40年の間の思い出は数多い。開学して間もない頃、学生の強い要望もあって、1期生の10名ほどの学生と共に原書を輪読することを始めた。この輪読会では、回を重ねるごとに学生自身が徐々に力をつけていき、辞書さえあれば、どうにか独力でも原書を読みこなせるようになっていった。そのときに見た、彼らの充実感に満ちたあの目の輝きは、今でも忘れられない。冒頭に挙げた原書とは、開学当初、自分の力不足を補うために読んでいた、金属に関する物理化学の世界的名著として知られる「L.S.Darken,R.W.Gur力的な取り組みにより、極めて貴重な知見が得られ、その一部は、国内外の学会にて発表している。在職中後半の数年に亘る「特別研究」での主なテーマは、溶融過程を経ないで、機械的エネルギーを用いたメカニカルアロイングというプロセスによって、その強さが従来のものの何倍にもなる鉄鋼材料を作製することであった。この研究では、そのような鉄鋼材料の実現を試み、同プロセスのもとで、原料成分元素が固体の状態で均一に溶け合う条件を、成分元素の原子間の結合エネルギーを基にした熱力学的モデルを用いて示すこry共著:フィジカル・ケミストリ・オブ・メタルとにより、世界に先駆けて、その作製に成功した。ズ(1953)マグロ―ヒル(NY)」のことである。この書は、鉄鋼工学科(後の材料工学科)2年次生の履修科目「鉄鋼物理化学」の理論面の基礎をなす原典でもある。更にまた、深い思い出として、私の脳裏から離れることのないものがある。それは、毎年かわる役者(学生)によって演じられる、生きたドラマとも言える2年次での「特別研究(卒業研究)」である。ここでは、学生諸君の各テーマに対する積極的かつ精この研究成果は、材料(物質)分野で世界最高レベルの米応用物理学術専門速報誌「アプライド・フィジックス・レターズ(APL)64巻1994年2961~2963頁」に掲載されている。因みに、APL誌に掲載される論文は、我が国では日本学士院章受賞の対象となっているようである。終わりに、こうした研究成果は、有能な協同研究教員の並々ならぬ尽力に負うところが極めて大きいことを付記したい。三浦春松(材料工学科)84