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2025.10.15
学科
高校生の“やってみたい”を育てる ― 武庫荘総合高校 × 産業技術短期大学 サイエンスゼミ連携 ―
産業技術短期大学 機械工学科では、2025年度より兵庫県立武庫荘総合高校と高大連携協定を締結し、高校3年生の「サイエンスゼミ」において研究活動をともに進めています。この取り組みは、生徒一人ひとりの「やってみたい」という思いを出発点に、大学の環境を活かして科学的な探究を深めるものです。
探究を支える協働のかたち
武庫荘総合高校では、2019年度から生徒が個別テーマを設定して一年間取り組む「総合的な探究の時間」を実施しています。理系分野での探究をより実践的に行うため、2024年度に産業技術短期大学との連携を試行し、その成果を踏まえて2025年度より正式協定を結びました。高校生は大学の設備を活用し、教員のアドバイスを受けながら、自分たちの発想をかたちにしています。

4分野で広がる“やってみたい”の実践
トカゲのように動くロボットをつくりたい(物理分野・二井見 博文 教授)
脚の構造や摩擦の影響を考えながら、トカゲ型ロボットの動作を比較・検討。力学の視点から性能向上を目指しています。

表情を読み取るAIをつくりたい(AI分野・樋口 善彦 教授)
画像認識や機械学習の仕組みを学び、AIが人の表情をどのように判別するのかを探究しています。
新幹線の騒音を抑えたい(シミュレーション分野・浅尾 慎一 准教授)
実際に走行音を測定し、音の大きさや方向の違いをデータ化。騒音発生の要因を科学的に考察しています。

自然の色で安全にネイルのおしゃれを楽しみたい(化学分野・松原 孝典 准教授)
植物由来の色素を使って羊毛布を染色。爪の代わりに試料を用い、染まり方や色の変化を観察しています。

学びをともに育てる場として
研究は春から始まり、夏休み期間にも継続して行われました。生徒たちは観察と分析を重ね、日本学生科学賞への応募にも挑戦しています。大学教員にとっても、高校生の柔軟な発想や熱意に学ぶ場となっており、互いに成長し合う協働の学びが生まれています。
“やってみたい”を育て、学びをつなぐ――。
この連携は、探究の力を伸ばし、ものづくりの町・尼崎から次の世代へ学びの輪を広げています。
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