機械工学実験のご紹介 ―鉄鋼が熱処理で硬くなったり軟らかくなったり―
2022.04.27
機械工学科では、授業でまなんだ知識が机上の空論にならないように、実験や実習で身体でまなぶ機械工学実験という授業があります。
前期(4月~9月)は、2年生対象の機械工学実験Ⅱが開講されています。2022年度は、次の8つの実験がおこなわれます。授業開始2週目の様子を紹介します。
①熱処理と組織の変化(材料系)
②シャルピー衝撃試験(材料系)
③熱伝導および熱伝達の基礎実験Ⅱ(熱流体系)
④はりの曲げにおける解析解と数値解の比較(数値シミュレーション系)
⑤Excelを用いた流体の数値シミュレーション(数値シミュレーション系)
⑥シーケンス制御(制御系)
⑦ロボット制御Ⅱ(制御系)
⑧AI実習(データサイエンス系)
まずは、材料系の「熱処理と組織の変化」というテーマの実験です。鉄鋼材料は、自動車や大型の建築物などでつかわれます。そんな鉄鋼材料は、熱処理によって硬くなったり、軟らかくなったりします。実験では、鉄鋼の試験片に熱処理を加え、表面を観察したり、硬さの試験をおこなったりします。
写真は、試験片に一定時間の熱処理を加え、水で急冷する「焼入れ」をおこなっている様子です。
他にも、熱処理後に炉内で徐々に冷やす「焼きなまし」の試料も用意します。その後は、紙やすりや研磨機械をつかって、表面を滑らかにして、腐食によって、表面を観察しやすくします。
金属用の顕微鏡で観察すると、写真の通りに、表面が観察されました(写真だと、少しわかりづらいですね)。この表面の様子と鉄鋼の硬さが関係しているのです。硬さ試験の結果と比較し、「焼入れ」や「焼きなまし」といった熱処理を理解します。
他にも、コンピューターをもちいて数値シミュレーションする実験や2022年度から始まったAI実習の実験もありますが、またの機会にご紹介します。