機械工学科・電気電子工学科の今春卒業生が学部生ながら堂々の研究発表
2023.06.13
日本繊維機械学会第76回年次大会(2023年6月1日・大阪)において、機械工学科と電気電子工学科の今年の春に卒業したばかりの卒業生2人が研究発表をおこないました。大学院生や大学などの研究者のなかで唯一の学部生の発表です。
今年の3月に卒業して、4年制大学に編入学した現在大学3年生の山本さん(機械工学科卒業)と代谷さん(電気電子工学科卒業)が卒業式の終わった後に取り組んだアルミ材料の染色研究について発表しました。
研究テーマは、「天然色素を用いたアルミニウムアノード酸化皮膜の染色」です。スマートフォンの筐体やポータブルミラーなどに利用されている染色されたアルミ材料。通常は、重金属を含む合成染料で染色されますが、これを天然色素で染められないかという試みです。今回は、天然色素で多彩に染められることと染色の要因について報告しました。
機械工学科の卒業生の山本さんは4月から編入学し、高校時代に希望していた化学分野で学んでいます。そのため、在学中には、独学で化学を学び、2年生の卒業研修では、化学的なアプローチに熱心に取り組みました。そして、卒業研修のグループと協力して学会発表するくらいの成果を出すこととなりました。在学中の3月には表面技術協会にて関連研究の発表をおこなっています。
今回の研究では、山本さんが2月まで取り組んでいた卒業研修に代谷さんを誘って3月から集中的に取り組みました。代谷さんは他学科の学生でしたが、研究発表に至るまでの実験・考察・発表準備などを経験したいということで参加することになりました。数か月の研究活動でしたが、発表直前には、機械工学科の教授陣に集中的に特訓してもらい、学部生ながら堂々の発表をおこないました。今後の2人の活躍を楽しみにしたいと思います。
短大生が学会発表をしようなんて、常識的には考えにくいかもしれません。しかし、学生の今をみて、将来を考えることで、学生担任中心に教職員が協力し、さまざまな挑戦を提案して後押しをしていきます。さまざまな挑戦と経験で、たった2年で大きな力を身に着けてもらいます。
発表したお2人のコメント
「今回の学会発表を通して、在学中から研究してきたことを伝えることができて良かったです。また、学科や分野を越えてたくさんの人と交流ができたのでこの経験を活かし、編入学後も頑張りたいです。(山本さん)」
「実験・考察から学会発表まで、貴重な経験をさせてくださりありがとうございました。研究への向き合い方やわかりやすい人への伝え方等、単に勉強するだけではわからない研究や発表の楽しさ・難しさを感じました。この経験を基に、今後さらに研鑽に励み社会に貢献できるよう努めます。(代谷さん)」
卒業研修
2年生全員が受講する必修科目。担当教員と相談の上、工学に関する課題に1年間かけて取り組みます。2月末には成果を発表する発表会が催されます。
学生担任制度
在学生1人1人に担任教員がつき、大学生活全般のサポート。授業の履修や進路の相談まで、さまざまなサポートをおこなっています。