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お知らせ

機械工学科・森 准教授が「機械学習を用いた材料解析の開発と適用」について招待講演!!

2023.10.20

2023年10月11日に機械工学科の森 准教授が日本材料学会主催講演会に招待され、講演を行いました。本講演会は、第9回材料weekにおけるマルチスケール材料力学公開部門委員会で企画された講演会です。

講演タイトルは「構造材料解析にむけた機械学習ポテンシャルの開発と適用」です。国内外の多くの研究機関との共同研究成果にもとづきます。海外のスタンフォード大学、コロンビア大学およびユトレヒト大学、国内の東京大学、信州大学、豊田工業大学および原子力研究開発機構(JAEA)と連携しています。

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〈研究の背景〉
鉄鋼材料の変形過程を詳しく知ることは、SDGsにむけたより優れた鉄鋼材料の開発や改良に不可欠です。鉄などの金属の変形は主に転位と呼ばれる金属原子配列の乱れが発生し動くことによって進んでいきます。原子の動きは量子力学に支配されているため、転位の動きを正確に予測するためには第一原理計算と呼ばれる量子力学に基づいたシミュレーションを行う必要があります。第一原理計算は非常にコストが大きく、富岳などのスーパーコンピュータを用いても鉄の中の転位の様々な動きを十分に予測することは困難です。このため、鉄の中の転位の動きの予測には簡便な方法が主に用いられてきており、正確さの面で大きな課題がありました。

〈研究成果のポイント〉
このような中、世界で初めて鉄中の転位の動きを機械学習技術によって第一原理計算の正確さを保ちながら非常に低コストで予測する技術を確立しました [1]。この技術を応用してこれまでの簡便な手法での予測結果の問題を明らかにし、さらに新しい転位の動きを予測することに成功しました [2][3]


講演会に関する情報
イベント名:公開部門委員会 マルチスケール材料力学部門 -分野横断によるマルチスケール材料力学の新展開-

日時:2023年10月11日(水) 13:00~17:00
会場:京都テルサ

URL:https://www.jsms.jp/kaikoku/maruchi.htm

研究成果の論文情報
[1] 掲載雑誌:Physical Review Materials
論題:Neural network atomic potential to investigate the dislocation dynamics in bcc iron
 (ニューラルネットワーク原子ポテンシャルによるbcc鉄の転位ダイナミクスの研究)

著者:Hideki Mori and Taisuke Ozaki
DOI:https://doi.org/10.1103/PhysRevMaterials.4.040601

[2] 掲載雑誌:The Journal of Chemical Physics
論題:AENET-LAMMPS and AENET-TINKER: Interfaces for accurate and efficient molecular dynamics simulations with machine learning potentials
(AENET-LAMMPSとAENET-TINKER:機械学習ポテンシャルを用いた正確で効率的な分子動力学シミュレーションのためのインターフェース)

著者:Michael S. Chen, Tobias Morawietz, Hideki Mori, Thomas E. Markland, Nongnuch Artrith
DOI:https://doi.org/10.1063/5.0063880

[3] 掲載雑誌:Physical Review Materials
論題:Dynamic interaction between dislocations and obstacles in bcc iron based on atomic potentials derived using neural networks
(ニューラルネットワークを用いて導出した原子ポテンシャルに基づくbccにおける転位と障害物の動的相互作用)

著者:Hideki Mori, Tomohito Tsuru, Masahiko Okumura, Daisuke Matsunaka, Yoshinori Shiihara, and Mitsuhiro Itakura
DOI:https://doi.org/10.1103/PhysRevMaterials.7.063605

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