機械工学科卒業生の研究成果が論文誌に掲載!製鉄プロセス効率化の基礎研究!!
2024.12.25
2024年12月25日(水)一般社団法人 日本鉄鋼協会発行の「鉄と鋼」誌に、機械工学科卒業生 杉 真弥さんの卒業研修の成果が、査読付き論文として早期公開されました(*1・*2)。
論文タイトルは「球引き上げおよびダムブレイク実験による高気体体積率フォームの粘度測定」です。この研究は、機械工学科 樋口 教授の指導のもと、2年次の卒業研修で1年間取り組んだ成果です。2024年3月に開催された日本鉄鋼協会春季講演大会の学生ポスターセッションで発表した内容が論文化されました。
機械工学科では、昨年も卒業生の研究が論文誌に掲載されており、3年連続の快挙です(*3・*4)。今後も学生が成果を発表する機会を積極的に設け、研究活動をサポートしていきます。
論文発表した杉さん(写真は日本鉄鋼協会春季講演大会学生ポスターセッション参加の様子)
以下は杉さんのコメントです。
「大学で取り組んだ研究が論文として認められたことはとても嬉しく思います。研究へのサポートをして頂いた樋口先生、短大への派遣という貴重な機会を与えて頂いた会社に感謝しております。」
研究成果の概要
製鉄プロセスでは、溶けた鉄から不純物を除去し、品質のよい鉄を作る「精錬」を行っています。鉄中の不純物を除去する液体状の精錬剤には気泡が分散して泡立っており、通常よりとても大きな粘度をもっており、この粘度の大きさによって精錬工程の能率が左右されます。しかし、泡がたくさん入った流体(多相流体)の粘度を評価することは難しいとされていました。本研究では、この粘度を評価するための新しい手法を提案し、実験と数値計算によって新手法の有効性を明らかにしました。この成果は精錬プロセスを最適化するのに役立ちます。
ご興味のある方は、本学までお問い合わせください。
論文情報
著者:杉 真弥(機械工学科 卒業生)・樋口 善彦(機械工学科 教授)
論題:球引き上げおよびダムブレイク実験による高気体体積率フォームの粘度測定
発表雑誌:鉄と鋼
DOI:https://doi.org/10.2355/tetsutohagane.TETSU-2024-108
早期公開のため原稿形式です。冊子形式での公開は2025年6月の予定です。
1) 査読付き論文とは、複数の研究者によって審査され、優れた内容であることが保証された論文を指します。
2) 本論文は、https://doi.org/10.2355/tetsutohagane.TETSU-2024-108 からアクセス可能。
3) 機械工学科卒業研修の成果が「鉄と鋼」に掲載されました!!(記事はこちらをチェック)
論文情報:鷹林 謙介, 重松 伊織, 樋口 善彦,"浴中に侵入する球体と流体の相互作用に関する数値解析",鉄と鋼,108(9),585-594(2022).
https://doi.org/10.2355/tetsutohagane.TETSU-2022-027
4) 機械工学科卒業生の研究成果が論文誌に掲載!製鉄プロセスの精錬における不純物の除去能力を高めるための基礎研究です!!(記事はこちらをチェック)
論文情報:蓮井智之, 樋口善彦, "オイル層で覆われた水浴に侵入する球体の流体力学的挙動",鉄と鋼,110(6),463-472(2024).
https://doi.org/10.2355/tetsutohagane.TETSU-2023-075
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