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お知らせ

機械工学科・浅尾グループ 卒業研修の活動紹介 -オリジナルレイノルズの実験装置の作製-

2024.02.14

 流体の流れの実験においてどうしても外せないのが、レイノルズの実験です。これは1890年代にイギリスの物理学者オズボーン・レイノルズによって行われた実験で、流れの性質によって現れる「層流・乱流」を観察するものです。「層流・乱流」については後ほど説明しますので、もう少しだけ読み進めて頂けると嬉しいです(^^)。

 工学系の大学であればどこにでもあるレイノルズの実験装置ですが、本学には過去にあったものの現在は使われていない状態でした。過去にあった実験装置は古くなっていたため、改めてレイノルズの実験装置を作ることにしました。ただ、レイノルズの実験装置だけ作製しても、あまり面白みがないと思いましたので、流体工学で問題となる「圧力損失」を実際に目で見ることが装置も加えることにしました。

 作製過程をお話する前に少しだけ出てきた専門用語「層流・乱流」と「圧力損失」について、少し正確さは欠けますが簡単に説明しますね。「層流」は文字のごとく、層をなす流れ、つまりはきれいな流れであり、「乱流」も文字のごとく、乱れた流れのことです。例えば、水道の蛇口を少しだけ開けると層流が出ますし、おもいっきり開けると乱流になります。最近は手動の蛇口が少なくなり自動で水が出るようになるものが増えてきたので、なかなか自分で乱流を作るのが難しくなってきたなあと思います。

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層流

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乱流

 「圧力損失」は管を流れる流体の摩擦によって発生するエネルギー損失のことです。と言われてもちょっと難しいですね。。。みなさんはストローでジュースやシェイクを飲んだことがあると思いますが、シェイクの方がジュースよりも吸うのが大変ですよね。シェイクはドロッとしていますし。実はこの「吸う大変さ」というのが「圧力損失」なんです。

 話を作成過程に戻します。実験装置を作るために、(1)どんな実験装置にするかを考える (2) CADを使ってPC上で実験装置を作ってみる (3) 実際に材料を用意し実験装置を組み立てる という3ステップを踏んで作っていきます。

 (1)では卒業研修のみんなでどんなものを作るか話し合いをしました。ホワイトボードの周りにみんなでワイワイお話しています。

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 (2)ではAutodesk Fusion 360を使ってPC上で実験装置を組み立ててみました。なかなかの出来栄えです。今回メインでAutodesk Fusion 360を使った企業派遣学生の方にお話を聞くと、Autodesk Fusion 360を使ったのは初めてとのことです。今回のCADで用いたテクニックを会社に持ち帰り、企業で行う作業の効率化を図っていきたいとのことでした。

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 (3)では実際に組み立てていきます。

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 (2)である程度の材料費などは見積もっていましたが、実際にやってみると、あの材料が足りない、この加工が難しいからこの工具がいるなど、見積もりよりも費用が膨らみます。指導教員の持っている予算とのにらめっこが始まります。。。

 なんだかんだありつつ、一つの実験装置で「層流・乱流」と「圧力損失」で見ることができる産業技術短期大学オリジナルのレイノルズの実験装置が完成しました。

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 この実験装置によってできた流れについては、本学オープンキャンパスの学科体験にてタイミングが合えばみることができますので、是非ともオープンキャンパスにご参加してみてくださいね。


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