本学学生の開発技術が活用されたアルミ製のバラ「ティンカーローズ」、KYOTO国際アーティストBANKに出展!
2025.03.31
本学学生が研究開発した天然由来色素によるアルミ染色技術が、アートイベント「KYOTO国際アーティストBANK」に出展されました。TINKERとの産学連携によって生まれたアルミ製の「ティンカーローズ」。従来の化学染料を使わずに鮮やかな発色を実現し、多くの来場者の関心を集めました。本記事では、その制作背景や展示の様子を紹介します。
-KYOTO国際アーティストBANKとは
KYOTO国際アーティストBANK(https://jarfo.jp/jarfo-artistbank)は、2025年3月28日(金)~30日(日)に京都文化博物館別館ホール・三条ウッドデッキで開催されました。国内外のアート作家・職人が作品を展示販売し、作家同士の交流や作品のディスプレイ技術を学ぶ場としても機能しています。
KYOTO国際アーティストBANK「TINKER」ブース
-本学学生の研究成果が活用された「ティンカーローズ」
今回、TINKERのブースでは、本学学生の開発技術が活用されたアルミ製のバラが展示されました。TINKERは、"金属のお花屋さん"として、金属を使って花を作るというユニークなアプローチで注目を集めています。鉄や真ちゅう、銅を使ったバラ「ティンカーローズ」を製作して販売しています。今回は新たな挑戦として、アルミ製のティンカーローズに天然由来色素を活用した染色技術を導入しました。
TINKERは本学の松原講師の研究室と産学連携プロジェクトを組んでいます。ティンカーローズに対して、本学学生のアルマイト処理と染色技術を提供しました。天然由来の色素で鮮やかに染色する技術が今回の展示の大きな特徴です。京都という歴史ある場所での出展ということで、ディスプレイにもこだわりがふんだんに。
TINKERの職人が一つ一つ丁寧につくった「ティンカーローズ」
今回のディスプレイはフラワーアーティストのノグチ様が。コラボ作品も
-本学学生の開発技術がつまった展示作品のご紹介
今回の展示では、学生が研究を重ねた新しい黒染め技術と、染色のためのバラ形状のデザインが活かされました。作品は、ムラサキイモ、カカオ、ログウッド、スオウなどの天然由来色素で染色され、多彩なカラーバリエーションが実現されました。
天然由来色素で染色されたアルミ製のティンカーローズ
タマネギの皮から抽出された色素で染色も
ものづくりやアート関係者が多数訪れ、作品の技術的背景や天然色素の可能性について関心を持つ方が多くいました。本学関係者も駆けつけ、展示を見守りました。
熱心にお話しする方がたくさんいらっしゃいました
-開発した研究室メンバーのコメント
松原講師は「最初はまったく染まらないところからのスタートでしたが、学生が試行錯誤を重ね、染められる形状を生み出しました」と振り返っています。
開発に関わった学生からは「研究室で積み上げた技術が作品として世に出ることが嬉しい。世界初の技術開発に携われた経験は貴重で、今後の社会人生活にも活かせるはず。環境に優しく、多くの人に使われる技術がさらに発展してほしい」との声が寄せられました。
この技術を活かした作品は、今後も別の機会で披露されるかもしれません。美しさだけでなく、機能性を持たせる方向での研究が進められようとしています。
会場となった国の重要文化財に指定されている京都文化博物館。もともと日本銀行京都支店でした
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