合成メラニン色素をもちいた新しいアルミ染色法の研究成果を機械工学科2年生が発表!!
2024.09.27
2024年9月12日に北見工業大学で開催された表面技術協会の第150回講演大会において、機械工学科2年生の田淵傑さん(日鉄テクノロジー株式会社からの企業派遣学生)が研究発表をおこないました。今回の発表は、2年生の卒業研修という授業の一環で、機械工学科 松原講師の指導のもと、グループでおこなった研究に基づきます。講演大会には共同研究者の佐藤春道さん(履修証明プログラム生(機械系)・日本製鉄株式会社から派遣)とともに参加しました。
発表した田淵さん(右)と共同研究者の佐藤さん(左)
今回は次の発表をおこないました。
ドーパ酸化生成物を用いたアルミニウムアノード酸化皮膜の濃染
(発表者:田淵傑,井出海響,細谷匠,佐藤春道,松原孝典)
スマートフォンケースに使われている色鮮やかなアルミ材料は "アルマイト" という表面処理がなされ、染められています。ただし、通常、重金属を含む合成染料で染色されており、重金属フリーの染色法が求められています。そこで田淵さんの研究チームは、髪の毛にも含まれているメラニン色素を化学的に合成し、アルミ材料を染める新しい手法を開発しました。合成メラニンをつかった新しい染色法は、アルミ材料を需要の高い濃い黒に染めることができ、その色の光に対する色落ちはほとんどないという優れた特長があります。
今回も短大からの発表は唯一で他の大学院生や企業の研究者と同じように堂々と発表しておりました。
発表の様子
参加したお二人のコメントを一部紹介します。
田淵さん
(田淵さんコメント)
学会発表に参加し、他研究室の高いレベルの研究内容や研究量、まとめ方や討論内容など卒業研修の今後に繋がるよい勉強になりました。発表では自身の練習不足を痛感しましたが、討論では自分なりに研究の成果を伝えられたと思います。「学会発表=質問責め」といったイメージでしたが、内容に興味を持ってくれた方からの質問や、様々な視点からのアドバイスなど「学会発表=情報共有の場」であると、いい意味でイメージが変わりました。企業の方との交流では研究に対するアドバイスを頂くと共に、重金属を含まない染料の需要の高まりを教えて頂き、私たちの研究の意義を再確認しました。また、その土地ならではの美味しい食べ物をお腹いっぱい味わう事ができ、貴重な経験となりました。
佐藤さん
(佐藤さんコメント)
北海道に行ったり、研究の講演大会に参加したり、すべてが初めて尽くしでした。このような機会を与えてくれた学校や会社、研究室のメンバーに感謝しております。講演大会では、発表の見せ方や発表資料の作り方など会社に戻っても財産となるように感じました。自分の職場に関係があったり個人的に興味のある学会や協会のイベントに積極的に今後も参加して、新しい知識を得たり、情報交換を行いたいと思います。ひとまずは11月の学会発表に向けて研究に尽力します。
北海道はご飯がおいしいので皆さんも絶対一度は行ったほうがいいと思います。
これまでの本学アルマイト研究の過去記事
(2024.03.14)機械工学科の学生2名が天然色素によるアルミ染色における調色と耐光性の研究成果発表!!
(2023.09.15)表面技術協会の講演大会で機械工学科の学生が環境に配慮したアルミの染色法の研究成果を発表しました!!
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(2022.12.13)機械工学科2年生がアルマイト染色に関する研究発表を、表面技術協会において行いました
(2022.05.02)【機械工学科】卒業研修のご紹介 ―アルミニウム材料の染色実験―
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(2023.10.13)第41回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2023)で学生が研究発表
(2023.10.25)機械工学科卒業生の研究成果が論文誌に掲載!製鉄プロセスの精錬における不純物の除去能力を高めるための基礎研究です!!
(2023.09.29)日本鉄鋼協会の講演大会で機械工学科の学生4名が研究成果を発表しました!!
(2023.08.31)日本実験力学会の講演会で機械工学科の学生が音響情報にAIを適用した研究成果を発表しました!!