メラニンで黒を操る!第26回関西表面技術フォーラムで学生が発表したアルミニウム染色の新技術!!
2024.11.29
2024年11月21日、産業技術短期大学の機械工学科の学生研究グループが、甲南大学ポートアイランドキャンパスで開催された「第26回関西表面技術フォーラム」にて研究成果をポスター発表しました。
発表した田淵さんと佐藤さん
研究タイトルは「ドーパ酸化生成物を用いたアルミニウムアノード酸化皮膜の黒染め」。
研究は、佐藤春道さん(履修証明プログラム生(機械工学系))と田淵傑さん(機械工学科2年生)が中心のグループが2年生の卒業研修という授業の一環でおこなったものです。田淵さんは、2024年9月12日に北見工業大学で開催された表面技術協会の第150回講演大会でも研究成果を発表しており、今回で2度目の学会発表です。当時の発表については、こちらをご参照。今回は継続研究の成果を発表しました。
開発した手法で染色したアルミ材料
今回の研究では、毛髪やシミの色素として知られるメラニンを利用して、アルマイト(アルミニウムのアノード酸化皮膜)を黒染めする方法を開発しました。メラニン色素は耐光性や耐熱性に優れ、アルミニウム染色にも適した良好な特性を持ちます。研究グループの染色方法は通常とは異なる独自の方法です。今回は9月の発表後に調査した、メラニンの合成反応スキームを活用して黒の色調を自在に制御する技術を発表しました。
ポスター発表前のPRショートプレゼンの様子
佐藤さんは「発表の準備には大変な部分もありましたが、当日は『黒に染めたいから教えてほしい』というお話をたくさんいただき、とてもやりがいを感じました」とコメント。また、田淵さんは「染色手法がとてもユニークでおもしろいという意見をいただき、自分たちの研究が評価されていると実感しました」と振り返りました。発表では来場者が絶えず、彼らの研究に関心を集めていました。
表面処理の研究者・技術者に説明している様子
今回の研究は、耐光性・耐熱性に優れるメラニンを活用し、環境に配慮した黒染め技術を開発した点が注目されます。佐藤さんは「さらに色調幅を拡げることと、より漆黒といえる黒をつくっていきたい」と意欲を語り、田淵さんも「染色メカニズムに関わる部分で質問をいただき、現状アプローチできていない部分を改めて知ることができました。残りの研究期間でできる限り追究したい」と今後の展望を述べました。
他大学の大学院生に説明している様子
産業技術短期大学では、学生の研究活動をサポートし、次世代の技術革新を担う人材育成に力を入れていれていきます。あなたも本学で、自分の手で新しい技術を生み出す研究に挑戦してみませんか?
*第26回関西表面技術フォーラムについてはコチラをご参照ください。
これまでのアルマイト研究の記事
(2024.09.27)合成メラニン色素をもちいた新しいアルミ染色法の研究成果を機械工学科2年生が発表!!
(2024.03.14)機械工学科の学生2名が天然色素によるアルミ染色における調色と耐光性の研究成果発表!!
(2023.09.15)表面技術協会の講演大会で機械工学科の学生が環境に配慮したアルミの染色法の研究成果を発表しました!!
(2023.06.13)機械工学科・電気電子工学科の今春卒業生が学部生ながら堂々の研究発表
(2022.12.13)機械工学科2年生がアルマイト染色に関する研究発表を、表面技術協会において行いました
(2022.05.02)【機械工学科】卒業研修のご紹介 ―アルミニウム材料の染色実験―
最近の学生研究成果の論文発表・研究発表
(2024.11.26)日本機械学会 第102期流体工学部門『流れの夢コンテスト』 機械工学科2年生が発表! 一般投票で2位に!!
(2023.10.25)機械工学科卒業生の研究成果が論文誌に掲載!製鉄プロセスの精錬における不純物の除去能力を高めるための基礎研究です!!
(2023.10.13)第41回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2023)で学生が研究発表
(2023.09.29)日本鉄鋼協会の講演大会で機械工学科の学生4名が研究成果を発表しました!!
(2023.08.31)日本実験力学会の講演会で機械工学科の学生が音響情報にAIを適用した研究成果を発表しました!!